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新中期経営戦略

持続的な成長を確実なものとするため、
新たな中期経営戦略に取り組みます。 2018.06.25 更新

写真:代表取締役社長執行役員 古屋 元伸

環境の変化を踏まえて、新たな中期経営戦略を策定

当社は2015年3月期より、『海外展開への対応』、『新規事業の立ち上げ』、『さらなるQDC の改善』、『自動車産業以外の領域拡大』の4つを重点課題として、中期経営戦略を推進してきました。その成果の1つが、2018年3月期の連結売上高150億円突破で、これは過去最高の売上高です。

そこで改めて今後の事業環境を考えると、見過ごすことのできない3つの潮流が明らかになっています。

第1が、自動車の電動化への流れの加速です。内燃機関から電気自動車への動きが速まっており、自動車産業に関わるあらゆるメーカーが対応を迫られています。

第2は、ディーゼルエンジンからガソリンエンジンへの転換です。自動車メーカーによる検査不正問題が、欧州地域におけるディーゼルエンジン車の新車販売シェアを押し下げ、電気自動車を含む他のパワートレイン車種への転換を促しています。

これら一連の動きは日系自動車産業を主要顧客とするニチダイグループに、大きな影響を及ぼすものであり、戦略の再構築が必要です。

第3が、日本国内の労働市場の逼迫です。働き手を確保するには、働き方改革への対応が必須となっています。労働環境の整備やIT 化の推進などによる生産性向上に取り組む必要があります。

変革期を迎えて私は、執行役員とともに1年以上の時間をかけて、ニチダイグループの将来のあり方、事業展開などの議論を重ねてきました。熟議の結果を取りまとめたのが、次の「3つの挑戦」からなる新しい中期経営戦略です。

  • 挑戦❶:「既存事業強靭化への挑戦」
  • 挑戦❷:「次世代への挑戦」
  • 挑戦❸:「働きがいのある職場への挑戦」

挑戦❶と挑戦❷は、先の中期経営戦略を継承し、今後の環境予測を踏まえて発展させたものです。挑戦❸は、社員の満足度を高める新たな取り組みであり、ニチダイの持続的な成長を実現するために欠かせない課題と認識しています。

変化を好機と捉え、新たな事業開拓を目指す

前述したように、自動車の電動化への流れは、もはや不可逆的な動きです。こうした変化は自動車を構成する部品にも当然影響を及ぼし、ひいては当社の精密鍛造技術の用途にも変化が予想されます。一方で、ハイブリッド車にも使用される内燃機関についても、少なくとも今後10年程度は需要の高止まり状態が続くと見ています。従って、この2つの領域のバランスを考慮しながら、経営のかじ取りを適切に行うことが私の使命です。

持続的な成長を確実なものとするためには、当社のコアである精密鍛造技術の中から新たなシーズを見出し、将来の収益事業を創出しなければなりません。従来工法からの転換や異なる工法の組合せなどさらなる技術進化に全力で取り組み、新たな事業領域開拓に向けた動きを推進してまいります。

想定技術ロードマップ

グラフ:想定技術ロードマップ

前中期経営戦略の振り返り

2015年3月期から4年間は、持続的な成長を支える基礎固めに取り組みました。

再編による経営体質強化
2014年4月:
ニチダイプレシジョン(国内アッセンブリ事業を担っていた子会社)の吸収合併
2015年4月:
京田辺工場再稼動(宇治田原工場にてフィルタ事業の生産能力拡大/ターボチャージャー部品組立てが京田辺工場に移転)
ガバナンス体制の強化
2015年6月:
監査等委員会設置会社への移行
2015年7月:
執行役員制度の導入
開発体制強化
2016年12月:
研究開発用プレスNFD-1000導入

連結売上高および営業利益率の推移

グラフ:連結売上高および営業利益率の推移

※百万円未満は切り捨て

通期で過去最高の売上高を達成
新たな中期経営戦略に取り組み、さらなる成長を目指します。

2018年3月期(2017年4月1日~2018年3月31日。以下、当期)は、3事業すべてが増収となり、
連結売上高150億円を初めて超えました。今後の経営環境については、自動車産業が変革期に入ったことに加えて、
政治リスク等も予断を許さない状況ではありますが、機会を確実に捉えて、着実な成長を目指します。

Q. 当期の業績と経営環境は?

A. 過去最高の売上高を達成しました。

当期における当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業は、米国や中国市場での販売が、成長率こそ落ちつきつつあるものの、高水準で推移し、国内市場も好調であったことから、生産台数は高い水準で推移しました。

このような経営環境において全事業ともに増収となった結果、連結売上高150億円を初めて超えることができました。利益面においても、各事業ともに利益を確実に積み上げ、ほぼ計画通りの数値を確保できました。

その結果、当期は、連結売上高152億4千8百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益7億5千5百万円(前年同期比17.6%増)、経常利益7億7千8百万円(前年同期比20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億2千2百万円(前年同期比23.0%増)となりました。

Q. 次期の見通しと事業環境は?

A. インドやASEAN市場の成長を背景に売上高157億円を見込みます。

日系自動車産業では、インドやASEAN地域における市場の成長が見込まれるため、生産台数は引き続き高水準で推移すると予想されます。一方で、米国および中国の自動車市場の成長低下や、様々な政治リスクがもたらす経済への影響など不安要素も生じております。

このような状況を踏まえて、次期は、ネットシェイプ事業の金型部門において、需要が増加するアジア地域での売上高増加を見込んでいます。フィルタ事業においても、新規品の受注獲得などによる売上高増加を予想しております。

これを受けて、次期の連結売上高は157億円(前年同期比3.0%増)を予想しています。また、営業利益9億6千万円(前年同期比27.1%増)、経常利益9億5千万円(前年同期比22.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6億3千万円(前年同期比20.6%増)を見込んでおります。

売上高の増減分解図(百万円)

グラフ:売上高の増減分解図

※百万円未満は切り捨て

全社当期実績と次期の見通し(百万円)

グラフ:全社当期実績と次期の見通し

※百万円未満は切り捨て

Q. 配当について教えてください。

A. 特別配当を加えて期末配当は10円(年間18円)とさせていただきます。

当社は、株主の皆さまへの利益還元を経営の重要課題と位置づけ、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当の継続を基本方針としています。

また、経営環境や業績動向、配当性向などの諸指標も考慮しながら配当額を決めています。当期の期末配当につきましては、連結売上高が初めて150億円を超えたことなどを考慮し、当初予想の8円に特別配当2円を加えた10円とさせていただきました。これにより、年間配当額は18円となりました。次期につきましては、中間10円、期末10円の年間20円を予想しております。

現在、当社を取り巻く事業環境においては、あらゆる分野に変化の芽が見られます。業界の変動は、既存ビジネスをリスクにさらす一方で、大きなチャンスが生まれる好機でもあります。当社は、これまで培ってきた技術開発力や組織力を充分に活用し、既存事業で着実に業績を積み重ねるとともに、新たな成長機会を確実に捉えていく覚悟です。

株主の皆さまには、これからもニチダイグループの取り組みについてご理解賜りますとともに、今後の発展にご期待いただけますようお願い申し上げます。

事業別当期売上高と次期の見通し(百万円)

グラフ:事業別当期売上高と次期の見通し

※百万円未満は切り捨て

1株当たり配当金(円)

グラフ:1株当たり配当金

ネットシェイプ事業

グラフ:売上構成比

グラフ:売上高、経常利益・利益率

※百万円未満は切り捨て
当期の概況

金型部門では、新規部品の受注増加により、国内の売上高が増加いたしました。精密鍛造品部門においては、国内での受託開発及び海外生産のスクロール鍛造品の売上高が増加いたしました。

以上の結果、ネットシェイプ事業の売上高は71億7千1百万円(前年同期比5.2%増)となりました。

また、収益面におきましては、金型、精密鍛造品双方の部門の売上高増加が寄与して、経常利益4億1千3百万円(前年同期比28.4%増)となりました。

次期の見通し

次期については、金型部門においてアジア地域の復調に伴う売上高増加が予想され、これに加えて精密鍛造品部門は前年と同水準で推移する見込みであるために、売上高74億円(前年同期比3.2%増)を見込んでおります。

アッセンブリ事業

グラフ:売上構成比

グラフ:売上高、経常利益・利益率

※百万円未満は切り捨て
当期の概況

VGターボチャージャー部品およびガソリンエンジン車向けのターボチャージャー部品双方の売上高が、国内外のいずれにおいても増加いたしました。その結果、売上高は59億1千5百万円(前年同期比9.8%増)となりました。

収益面におきましては、増産に伴う増収効果により、経常利益1億3千8百万円(前年同期比45.7%増)となりました。

次期の見通し

次期については、VGターボチャージャー部品の生産機種の切り替えにより、増産となる部品と減産となる部品がそれぞれ出るため、トータルでは前年とほぼ同水準の59億円(前年同期比0.3%減)を見込んでおります。

フィルタ事業

グラフ:売上構成比

グラフ:売上高、経常利益・利益率

※百万円未満は切り捨て
当期の概況

国内では、大型海水ストレーナーがほぼ横ばいで推移したものの他の製品が売上高を伸ばしました。また、国外では医薬品産業向けのフィルター製品の売上高が増加したことに加え、THAI SINTERED MESH CO., LTD.の売上高も増加したことから、売上高が21億6千1百万円(前年同期比11.3%増)となり、経常利益は2億2千6百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

次期の見通し

次期については、これまでの幅広い分野における拡販の取り組みが実を結びつつあり、その結果として全体的な底上げが期待できることに加えて、医薬品産業向けのフィルター製品が好調を維持するため、過去最高となる24億円(前年同期比11.0%増)の売上高を見込んでおります。

[見通しに関する注意事項]
当報告書の記載内容のうち、歴史的事実ではないものは将来に関する見通しおよび計画に基づいた将来予測です。
これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは記載の見通しとは異なる場合がございます。

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