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2021.6.24 更新

創業の精神を受け継いで全社一丸となって挑みます

メッセージビジュアル代表取締役社長執行役員 伊藤 直紀

2021年4月1日、19年間社長を務めた古屋元伸が会長に、副社長であった伊藤直紀が新社長に就任しました。

自動車業界を含め産業構造が大きな変化を迎えるなか、新たな経営体制のもとで、ニチダイのさらなる成長に向けて取り組んでいきます。

「価値創造」挑戦の歴史

ニチダイグループは、故田中善昭が1959年に大阪・天満で創業した「田中合金製作所」が始まりです。創業当時は金属を加工する機器を買うゆとりもなく、そのため、ボール盤を改造した自家製の放電加工機を開発し、事業の飛躍のきっかけとしました。困難な状況にもあきらめず、新しい価値を創造することへのあくなきチャレンジ精神。これが当社の原点だと考えています。その後、進取の気性でいち早く軸足を冷間鍛造に移すと、モータリゼーションの進展とともに当社の業容は拡大していきます。1988年には、研究開発用のプレス機を導入し、鍛造技術そのものの開発に着手。そして2002年から田中より社長を引き継いだ古屋元伸(現在は、代表取締役会長)が事業の拡大、海外展開を推し進め、さらに当社の事業は伸長・多様化していきました。

変化の激しい時代に向けて

さて、わたくし伊藤直紀は、このたび古屋元伸の後任として代表取締役社長に就任し、新たな経営体制をスタートさせました。先に触れた通り、当社は創業以来、「新たな価値創造」を目指し、社会に役立つ技術の開発や、お客様に喜んでいただける製品づくりを大切にしてまいりました。私が新社長として担うべき大きな使命とは、こうした取組みを受け継ぎ、さらに発展させながら、変化の激しい時代への対応力を強めていくことだと考えています。また、今後はESG視点の経営をより一層推進し、SDGsといった複雑化する社会課題にも挑んでまいります。経験の浅い若輩者ではございますが、社長の重責を担いました上は、当社の企業価値を高めていくことに全力を注いでまいります。

さらに力強くチャレンジを推進します

改めて「チャレンジ」を掲げる

当社の主要顧客業界である自動車産業は、100年に一度と言われる大変革の時代を迎えています。「CASE」※1「MaaS」※2に対応した新しい技術開発が必須となるなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透により、企業活動のあらゆる面での改革も求められています。当社を取り巻く環境の変化は、これまで以上に速く、大きくなっていると実感します。自動車産業のみならず産業界全体の変化は、不可逆的に加速していくことでしょう。社会のニーズ、お客様のニーズも変化します。当社も新たな時代へのチャレンジが必要です。次の時代に向けたキーワードとして、「チャレンジ」を改めて掲げ、既存事業の発展、新しい事業分野への進出、新しいビジネスモデルの構築も目指してまいります。

※1:
「CASE」とは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング&サービス)、Electric(電動化)という4つのトレンドの頭文字をもとにした造語。
※2:
「MaaS」とは、Mobility as a Service の略。地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービス。

独自技術を基盤に展開する3事業

ネットシェイプ事業ニッチトップであり続ける

ネットシェイプ事業の今後の方向性としては、10年後、20年後も冷間鍛造金型のトップランナーであり続けるために既存技術に磨きをかけ、必要な変革を推進してまいります。

その実現に向けて、これまで冷間鍛造ではできなかった部品の生産を可能にし、領域拡大を図るなど時代のニーズに合わせて新たな取組みを加速してまいります。

アッセンブリ事業ノウハウを水平展開する

アッセンブリ事業は2000年代に新規参入し、数々のトライアンドエラーを経て確立してきた歴史があり、トレーサビリティ管理など量産品を製造する上で必要なノウハウが蓄積されています。まずは、このノウハウを当社の他の量産品にも水平展開したいと考えています。さらに、既に取り入れているIoT技術を用いての自動化や省人化も加速させ、生産品目の増加、品質向上、生産効率向上を追求してまいります。

フィルタ事業3Nを強力に推進する

フィルタ事業は、自動車産業以外を対象とした事業であり、各製品の市場規模は小さいながらも、幅広い分野へ拡大する可能性がある部門です。フィルタ事業では3N(New)と表している「新製品・新用途・新規顧客」を合言葉に新しい需要創出に力を入れており、この動きが成長を推進する基盤となっています。今後もこの独自のマーケティング活動を継続し、収益機会拡大を図り、新たな市場を創出してまいります。

3 事業を横断する新事業開発部の機能などにより、
事業間シナジーや新たなイノベーションを創出

新しいビジネスの芽を育てる

売上高の約8割を自動車関連が占める当社は、自動車の発展とともに成長してきたといっても過言ではありません。事実、グローバルの自動車販売台数はリーマンショックの時期を除いて右肩上がりで推移しており、底堅い需要があります。しかし、今後の環境の変化を考えれば、新規のビジネスも生み出していく必要があります。そうした背景から、今期より「新事業開発部」を立ち上げました。ここは、従来の当社の枠組みを超える新たな事業展開を目的とした部門です。例えば今後、EVバッテリー市場への技術提案を視野に入れていますが、こうした動きをお客様にも感じていただき、開発案件で当社に声が掛かる関係を構築していきたいと考えています。

チャレンジする風土をつくる

さまざまな困難に直面しながらも、当社は長期的に見れば成長を続けてこられました。ゆえに、知らず知らずのうちに変化することにより生じるリスクに対して敏感になっている点は否めません。変化を恐れ過ぎるとチャレンジはできません。当社の原点に立ち返り、「チャレンジする風土」をもう一度根付かせたいと考えています。それと同時に、社員満足度の向上も重要なテーマです。令和の時代、人々の価値観は多様化しています。社員一人ひとりのライフスタイルを考慮する必要があります。例えば育児や介護などの理由により、仕事の機会を失うようなことがあってはなりません。多様性を許容する組織、チャレンジする風土、そんな企業文化をつくることによって、今まで以上に、社会そしてお客様のお役に立てるよう努力する所存です。

機を捉え着実に回復する

業績の概況(2020.04.01〜2021.03.31)

下半期の急回復も追いつかず前年同期比で減収減益となりました。

上半期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済活動の制限などにより、当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業は著しく停滞いたしました。下半期に入ると、地域によりばらつきが生じているものの、回復基調に転じ、日系自動車メーカーの生産台数は増加傾向となりました。当社グループの業績も急回復したものの上半期の落ち込みをカバーするには至らず、2021年3月期(2020.04.01??2021.03.31 以下、当期)の業績は、連結売上高108億2千3百万円(前年同期比26.7%減)、営業損失3億3千9百万円(前年同期は7億1千2百万円の営業利益)、経常損失1億7千3百万円(前年同期は7億4千3百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失1億7千万円(前年同期は4億7千7百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

次期の見通し

先行き不透明な状況が続きますが大幅な回復を見込んでおります。

新型コロナウイルス感染拡大は世界各国の経済活動に影響を及ぼしており、依然先行き不透明な状況が続いております。一方、日系自動車産業は好転の動きを見せており、加えて当社グループのさまざまな収益改善の取組み効果により、大幅な回復を見込んでおります。当期大幅に減少したネットシェイプ事業、アッセンブリ事業は回復し、自動車産業向け以外の用途を主としているフィルタ事業においては引き続き好調に推移することが予想され、その結果、連結売上高については136億円(前年同期比25.7%増)を予想しております。また、利益面においては、営業利益4億円、経常利益4億3千万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億9千万円を見込んでおります。

当期実績と次期の見通し(百万円)
表:当期実績と次期の見通し

※ 百万円未満は切り捨て

配当について

期末配当は4円とさせていただきました。次期は年間10円の配当を予定しております。

当社は、株主の皆さまへの利益還元を経営の重要政策と位置付け、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当の継続を基本方針としています。この基本方針に基づき、当期においては1株当たり年間4円とさせていただきました。次期の配当につきましては、中間5円、期末5円の年間10円の予想としております。当社グループが置かれている環境は、不透明な状況にあることは否めません。しかしながら、厳しい状況の中でも2019年3月期から進めている中期経営戦略を軸に取り組んできた体質強化の施策は着実に成果を出しております。

株主の皆さまには、当社グループの現況をご理解賜りますとともに、今後の発展にご期待いただきますようお願い申し上げます。

中期経営戦略の進捗(トピックス)
図:中期経営戦略の進捗(トピックス)

事業別概況

グラフ:事業別概況

ネットシェイプ事業

グラフ:売上高、経常利益・利益率

※ 百万円未満は切り捨て

当期の概況

新型コロナウイルス感染拡大に伴う自動車産業の不振により、第1??3四半期の業績は著しく低迷しました。下半期以降、金型部門が好転し、第4四半期の売上高はほぼ前年と同水準にまで回復しました。その結果、売上高は50億2千万円(前年同期比30.6%減)となりました。損益面に関しては、経常損失を計上しております。

次期の見通し

半導体の供給不足や米中対立の影響など、引き続き先行き不透明な状況が続きますが、世界の自動車販売は今期と比較し増加傾向が予想されます。こうした状況を踏まえて、ネットシェイプ事業合計で、通期の売上高69億円(前年同期比37.4%増)を予想しております。

アッセンブリ事業

グラフ:売上高、経常利益・利益率

※ 百万円未満は切り捨て

当期の概況

下半期から国内のターボチャージャー部品の売上高が回復傾向となったものの、通期ではネットシェイプ事業同様、新型コロナウイルス感染症が業績に大きく影響を及ぼした結果となりました。売上高は34億9千4百万円(前年同期比33.7%減)となり、経常損失を計上しております。

次期の見通し

次期については、ネットシェイプ事業と同様、自動車産業全体に合わせて回復する見込みです。こうした状況を踏まえ、通期の売上高は45億円(前年同期比28.8%増)を予想しております。

フィルタ事業

グラフ:売上高、経常利益・利益率

※ 百万円未満は切り捨て

当期の概況

他の2事業と異なり自動車産業向け以外の用途を主としており、主力ユーザー向けが好調だったことやアジア向けの製品の売上が堅調に推移したことから、売上高は23億8百万円(前年同期比1.7%増)となりました。また、経常利益は、3億2千8百万円(前年同期比5.8%増)となりました。

次期の見通し

次期については、引き続き堅調に推移することが見込まれるものの、旺盛な需要が落ち着くため売上高が減少となります。そのため、通期の売上高は2 2 億円( 前年同期比4.7%減)を予想しております。

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